人を育てるなんて、そんな、ものすごいこと、あの時、なんで出来ると思って、アキを産んだんだろう。
よく考えたら、…いや、考えなくても分かってる、私自身、大そうな人間じゃないのにね。
愛されて育ったわけでもないのに、どうして愛し方が分かると思ったんだろう。
今日も3歳の息子、アキを、怒ってしまいました。
大人になっても出来ないことが沢山あるのに、3歳の子供に何を求めすぎているんだろう。
大きな声で叱って、言うこと聞かせようとして、泣かせて、怖がらせて…
結局ね、親の怒りの「はけ口」にしただけじゃない。
普段、気をつけていても、
生理前とか、疲れている時とか、
リミッターが外れかけている時、感情のコントロールが難しくなる。
私、もう、何歳だよ。
アキと何歳差だよ?
でも、どんなにアキの言動に腹を立てても、「叩く」という行為だけは、必死で堪えている。
…必死でね。
息を大きく吸い込んで、他の部屋に駆け込んで1人になって…堪える。
だって、正直に言うとね、
自分の子供を、思わず叩いてしまう人の気持ち、ちょっと分かるんだ。
…子供にとっては親が全てなのに。
親から見離されたら生きていけないことを知っているのに。
力もかなわない、
命の手綱も取られている、
どう足掻いても、親には敵わないのに。
分かっていながら、コントロールしようとするのは、何て卑怯なんだろう。
危ない
待って
やめなさい
それはダメ
沢山の小言に囲まれて、どれだけ不自由な気持ちでいるんだろう。
3歳の小さな身体で、
ただでさえ、アキは怖がりなのに、
私の卑怯な怒り方に、どれだけの不安に震えたのかな。
夜泣きして、
叫ぶように「ママ抱っこ」って呼ぶアキを、ぎゅっと抱きしめながら、考える。
…ごめんね。
ママが昼間怒ったからだよね。
本当にごめんね?
ダメな母親でごめんね。
優しくて明るくて、いつもアキを包んであげられる、そんな母親になりたいと、本当に思ってるんだよ。
まだなれなくてごめんね。